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世界システム論で読む日本
2005年03月25日 (金) 17:15 * 編集
世界システム論で読む日本  講談社選書メチエ  山下 範久 (著)

とにかく面白い。文章も上手い。一気に読んでしまった。

著者はウオーラーステインの弟子。グローバリティの句切れカエスラ(caesura)、などという著者独自の用語もお洒落で楽しい。

システムとしての資本主義はヨーロッパに生まれ、全世界に浸透していったというのがウォーラーステインの世界資本主議論だが、著者はこれをヨーロッパ中心主義史観として否定する。

近世をいくつかの帝国システムが世界を分割していた時代と規定する。従って近世論として読んでも面白い。世界は分割されてはいたが、海禁や朝貢貿易等のシステムの論理は共有していた。その近世の帝国システムに次第に亀裂が生じ、同時並行的に崩壊する中から新たな資本主義システムが、これも同時並行的に成立してくるというのだ。

そこでどうして日本がということになるのだが、帝国システムの周縁の持つ自由度ゆえ、ひとことでいえばそういうことになるだろうか。

この新たに生まれた資本主義システムは、その性質上もはや世界を分割することはなく、世界は一つのシステムに統合されたのだ。

世界史を一刀両断、スッパリと切って見せてくれるのだが、それだけに“ホンマかいな”という気になるのも事実。

近世帝国システムを支えていた世界共通のメカニズムは何かとか、ヨーロッパ中心主義に説得力を与えている産業革命がイギリスから始まった事実をどう評価するのかとか(ちなみに著書の中で産業革命に対する言及は皆無)、疑問は多々ある。

しかし私は、この著者に大いに期待している。スケールの大きな理論を大きなままに発展させて行って欲しいと願っている。

皆さん、読みましょう。


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